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2008年05月10日

齋藤孝&梅田望夫著「私塾のすすめ」を読んで...

全然この本の存在を知りませんでしたが、いつものように趣味の本屋めぐりをやっていた時に偶然見つけた本です。テレビでも大活躍中の齋藤孝さんと「ウェブ進化論」など「Web2.0」などの言葉を一般化し、インターネットの可能性を説いている梅田望夫さんの対談本が発売されました。



個人的な話ですが、齋藤孝さんの本も梅田望夫さんの本も何冊か読んだことがありまして、齋藤さんの本は「教育力」という本を読んだりしましたし、梅田望夫さんの本も茂木健一郎さんと対談した「フューチャリスト宣言」などを読んだことがあったりして、お二方ともそれなりに主義・主張は把握しているつもりだったのですが、齋藤孝さんと梅田望夫さんの対談の中で出てきた共通の概念みたいなものが、「私塾」という言葉に行き着いたことを本のタイトルを見て考えた時、その具体的な内容にものすごく大きな関心を持ったので、即衝動買い!!近くの「コメダ珈琲店」に入って、アイスコーヒーを飲みながら一読してみました。


本の目次は下記のとおり。

はじめに――志をデザインする(齋藤孝)


第1章 志向性の共同体

明治と現代/ロールモデル思考=あこがれる力/ロールモデルを消費する/「自分探し」への違和感/「けものみち」には直感が大事/二十年前にもしブログがあれば…/「志向性の共同体」と創造/ネットの中で「あこがれのベクトル」を見つける/「空気」をつくるのがリーダーの役目

コラム 梅田望夫「私のロールモデル」


第2章「あこがれ」と「習熟」

機能不全に陥った教育/上を伸ばすか、全体の底上げをはかるか/祝祭的な学び体験を重視する/「あこがれ」と「習熟」/コンサートツアーかアルバムづくりか/ブログ執筆と出版/万単位の人からの喝采体験/オリジナリティ重視か定着重視か/ネットは私塾/全日本国民に対してか十人に対してか

コラム 齋藤孝「私のロールモデル」


第3章 「ノー」と言われたくない日本人

「寒中水泳」ではもぐってしまったほうが楽/「組織に与えているもの」と「組織から与えられているもの」/量をこなすことをおそれない/打席にどんどん立てばいい/自分のなかに「私淑する人」をつくる/「好きな仕事」でないとサバイバルできない/メンタル面での自己浄化装置をもつ/「心で読む読書」、心の糧になる言葉をもつ

コラム 梅田望夫「私の座右の書」


第4章 幸福の条件

生活が作品/「いかに生くべきか」を考えることは無駄か?/大陸的タイムスパン/やらないことを決める/優先順位のつけかた/「ウェブの細道」/「How are you?」はなぜいつも「Fine」か

コラム 齋藤孝「私の座右の書」


おわりに――私塾による戦い(梅田望夫)



「私塾」という言葉については、齋藤孝さんがはしがきで、

志を同じくする仲間と熱く語り合い、学びたい。中心には信頼できる人格と力量を併せ持った師がいてくれる。そんな私塾的空間で学びたいという願望があると同時に、自分もまた、「私塾」を開いて若者と熱い学びの祝祭を味わってみたいという願望も持っています。


と述べていますが、梅田望夫さんはこういった「私塾的空間」をインターネットの上でブログやmixiなどのSNSでもできるものだということを述べられています。


具体的に感想を述べていきますと...


齋藤孝さんがおっしゃっているように、「やる気のない」人たちを「無理やり」やらせて、しかも終わってみたら合点が行っている...なんていうような芸当は俺には到底できませんわーい(嬉しい顔)わーい(嬉しい顔)。知の世界を全力疾走してみて、その走っている息遣いをブログやSNSで公開して共感した人たち同士で「私塾的空間」を作る方といった梅田望夫さんがおっしゃっているようなやり方の方がどちらかといえば俺には合っているような気がします。だって、「やる気のない人たち」を振り向かせるっていうのは難しいことですよ〜。しかし、お二人の主張で共通しているのは「私塾的空間」の「学び」が如何に楽しいものでかつ人生の中で大切なものになり得るかということを熟知されていることです。5月9日付けの茂木健一郎さんのブログに、「Eternal Student」の話が書いてある、「すぐれた独学者(autodidact)」になるには、こういったインターネット上での「偶有性」を大切にしながら、「好き」にこだわって知的世界を疾走する態度が必要なんだろうなぁと思います。


その「好き」にこだわるという話...。第3章にはそのことについて、かなり厳しいコメントが書かれています。「好きな仕事」に就くことは「人生」を豊かにするといった牧歌的な主張がなされることが多いのですが、これからの時代はそれではダメで、「好きなこと」をしなければ生き残れないという「サバイバルな世界」が待ち受けているのだという指摘がされています。IT化とグローバル化の影響で、1人あたりの仕事量が増え、「仕事」が24時間できてしまう世界が今の世の中です。これは伸びる人はさらに伸びるチャンスですし、その一方でこういった潮流に翻弄されて自分を見失う人たちだって出てくることは間違いないでしょう。俺はこういう「好きなこと」は持っているが、決してそれが職業になっているわけではありません。第3章の冒頭に出てきた「寒中水泳」でいえば、ざぶ〜んと企業文化に入っていない状態。自分の価値基準を持ちすぎているのか、そんな状態です。一方で「好きなもの」は持っています。今はそれに100%時間を費やすことはできないけれども、いずれはそうしたいと思っているし、少しずつ時間を区切って適度なタイムプレッシャーを自らに課して、そういう生活に向けて行動を開始しようかなぁと思っています。


俺の安全基地は、学ぶ意欲を持ち続けていることだと思っています。どんなことがあってもそれだけは持ち続けています。それを失ったのは、俺の学問研究の姿勢などを的確に理解してくれていた親友が死んだ時ぐらいでしたが、結局俺から「学問」を抜いたら何が残るんだ!?と自問自答したら何も残らなかったので、彼のためにも頑張ろう!!ということで、ウェブ上での学問活動をすぐに再開できたわけです。



最後に、この本の中に力強い言葉が書かれていました。「ノーと言われたくない日本人」のくだり...。ペチャンコになってへばりそうになった時にはぜひこの文章を読み返したいなぁと思います。すごくいい自信になります。「失敗してもあたりまえ!!」だし、だいたいのことはうまくいかなくて当たり前だと思うこと!!ただ、それは修行僧のように耐え抜くことだと思っていましたが、実はそうではなく、「自分の主張(自分のやりたいこと)」を相手にどうしても伝えたいという思いを持って、あれやこれやとその伝え方をいろいろと変えてみようというオプティミスティックな楽しみ方はぜひ身につけて実践したいと思います。こう考えると、「自分の主張(自分のやりたいこと)」を持つことが十分条件になるような気がするのですが、やっぱり熱意を持ってできる仕事や学問であれば、ペチャンコになってもヘコたれないストレスに強い精神力を自然に身につけることができるのでは!?と...。自信がなくなりかけてきた時こそ、自分のやりたいことを相手にきちんと伝えるにはどうしたらよいのか?をあれやこれやと実験して試してみようと楽観的に考えて次にチャレンジする実行力を忘れないようにしたいです。


梅田望夫さんが「ウェブ進化論」などでさかんに主張されている「オプティミスティック」な主張は、決して能天気に生きろ!!というメッセージでは決してなく、自分の「好き」を貫くための「生きる術」なんだということを確認できる本がこの「私塾のすすめ」です。自分にとっては、「私塾のすすめ」は、茂木健一郎さんと梅田望夫さんの対談「フューチャリスト宣言」に続く名著だと思っています。ちょっと自分に自信が持てなくなっている人などには特におススメです。


■梅田望夫さんブログ
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20080507/p2
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20080422/p1




posted by Kashiroman at 06:43| Comment(0) | TrackBack(1) | Books & Magazine | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Excerpt: 良い本に出会うと、前向きな、不思議な感覚を持てる。そんな一冊だった。梅田望夫さんの本は、本当に素晴らしい。梅田望夫さんの...
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Tracked: 2008-05-10 08:42


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