実は中学時代は水泳部でしたので、水泳の練習の独特なキツさというのはよく分かります。プールの中をただひたすら行ったり来たりするだけ...。同じ景色をずっと見てるだけ。それをただひたすら繰り返すだけの練習です。水泳に集中していなければ、単にキツイだけです。
「レースに行く前の顔と、レースに向かってゴーグルをつける前の顔をずーっと僕は見てたんですね。そしたらふだんの穏やかな顔と、全然スイッチが入って切り替わっているんですね。ふだんのときの顔じゃなくて、レースに向かうときの目つきというのがですね、ほんとガリガリの子どもだったんですけど、鋭い目つきをしていて、なんか強そうだなと感じたんです。」
北島選手が中学時代に出場した時に平井コーチが感じた北島評です。
もう1つ、番組の最後の「プロフェッショナルとは...。」のコーナーで、平井コーチは、
「オリンピックを通じて、本当に思ったのはですね、最終的には自分自身に打ち勝った人間が、メダルをとれたり、金メダルをとったと思いますので、忍耐力と克己心を強く持った人だと思います。」
とおっしゃっていましたが、平井コーチは北島選手の中学時代に「目」を見て「自分自身に打ち勝つ」能力の有無を見ていたのだと思います。
この番組はいろいろな点で実に興味深いものでした。
1つは泳法の指導方法。
「勇気を持ってゆったりと行け!!」
含蓄のある言葉です。我輩は自由形の選手でしたが、現役時代に気をつけたのは「ゆったり」と伸びる姿勢を作ること。入水する時の位置を意識して泳いでいました。水中で背伸びをするような感覚を忘れずに泳ぎました。全盛期には自由形50メートルを30秒切るぐらいで泳いでいましたが(そんなに速いわけではありません)、北島選手もゆったりと掻いてすっと体を伸ばす泳法を意識して泳いでいたのは、テレビ映像を見た時から気づいてはいましたが、改めて「なるほどなぁ」と思いました。
もう1つの着目点は、コーチングについて。
技術面でも、精神面でも選手をリードし、引っ張り続けるのがコーチの仕事ですが、平井コーチの言う「選手の一歩前を歩く」ことは、並みのことではないと思います。自分が下した判断が正しかったのかどうかというのは、どんな人であれ気にするものです。常に先回りして課題を研究し、決して迷いや動揺を見せないようにするってできますか?受験指導をしていた時は、そこそこの自信があったのでそれなりにはできました。生徒の鉛筆を走らせる姿、筆圧からコンディションやモチベーションはすぐにチェックできますし、課題もすぐに分かりましたから...。でも、大学を卒業した後で仕事などで出した自分の決断に自信が持てたことはほとんどありません。セルフ・コーチングを重ねて意識的に、ロジカルに経験を分析することを続けるしかありません。それが結果として他人をコーチングする力につながるのだと思います。
一流の「プロフェッショナル」が出演するこの番組ですが、イチロー選手なども言っているように、1日1日の小さな積み重ねが大きな力を生み出すんだってことは、どの出演者からも共通して感じられることです。
試験勉強だって、
スペイン語の勉強だって、
スペイン法研究だって
1日1日の積み重ねだね。
忍耐力と克己心を強く持った人
として、毎日過ごしたいです。





